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今回のフェアの舞台は、ホテルニューオータニ東京40階のイタリアンダイニングBELLA VISTA、約80席。パリのお店のざっくり4倍。厨房は毎回いつもの4倍を仕込むのだから大変だったと思う。
サービスは元々のスタッフほかパリ店の「中の人」、大阪のニューオータニからも応援が来ていたらしい。
これまで佐藤シェフの日本国内でのフェアは、札幌のフレンチレストラン「ル・ミュゼ」がほとんどで、東京での開催は初めてだ。
80席を3日間×2(昼夜)、一人で満席にできる佐藤シェフの人気と、東京でのフェアが待たれていたんだな…という熱気を感じる。行った日は日曜で、見知った料理人さんもちらほら。友達も何人か。
メニュー構成はデセール含め10皿。
スペシャリテである「イカとカリフラワーの白いお皿」や、「新玉ねぎとイベリコ豚のチョリソー」、デセールのタルトショコラなど、名物は押さえてまっせというお得な構成。
新玉ねぎの料理は、黒トリュフを入れるスペシャリテとしてTBS「情熱大陸」でも紹介された(→詳細)「玉ねぎのキャラメリゼに黒トリュフ」の変形バージョン。
食べ終わったあとで思ったのは、これだけのクオリティの料理を、いつもと異なる環境とスタッフと人数でここまで再現するのはなかなかできないだろうなということ。使い慣れたフランス産と日本産では食材の味が違うはずで、今回も、想定していたソースとのバランスが難しい食材があったそうだ。
佐藤シェフは、短期間のフェアのときは可能な限りフランスの食材を使っているそうだけど、今回は人数が人数なので、鹿児島のスミイカなど日本の食材も多く使われていた。
佐藤シェフに今回求められていたのは、先日のnomaが東京でフェアをやったときのように、日本の食材との新たな出会いにインスパイアされた新作料理ではなく、パリでの味を出来うるかぎり再現すること。それはすなわち、イカとカリフラワーのように、日本のお客さんの側が、すでに知っていて食べたいメニューがあることと同義かと思う。
あのときのnoma Tokyoの料理写真を見て行ったかたの話を伺うと、よくまああれほどアバンギャルドなことをいきなり日本でやれたなと思うし、逆にいうと、佐藤さんのように、日本でスペシャリテが知られているシェフというのも、なかなか稀有なことではないかと思う。
メインがあらかた出終わって、挨拶にダイニングに出られた佐藤シェフ、今日は終始リラックスモード。8月にはJR九州の豪華特急ななつ星に乗車してのディナーがあるとか。動く厨房は初めてなので、止まった車内にするかも…とのこと。詳細は→こちら
久し振りにパリのPassage53のサイトをのぞいたら、予約方法が変わって、WEB上からできるようになっていた。(→こちら)3ヶ月も4ヶ月も前の予約を受けているとキャンセルも多いそうで、最近では、予約は原則2ヶ月前から受付にしていますとのこと。