寄り添わせるもの

ネットや印刷物であらゆるものの追体験ができる今でも、絶対に伝わらないのが味覚と嗅覚と触覚だ。
料理という、行かないと追体験できない味覚と嗅覚について書くというのには、毎度なんとなく埋めがたい隔靴掻痒感がついてまわる。視覚でわかることももちろんあるけれど、それは料理の要素のわずかな部分にすぎないからだ。
それでもレストランについて、料理について書く人がこれだけ多いというのは、あらためて考えると、なんと因果なものかと思う。自分もだけど。
今回のil Pregio岩坪さんの料理は、そういうことを改めて思い出させるものがあった。
今日の主役は香り、見た目と食べた感じのギャップ。

ラ・トゥーエル(神楽坂)

神楽坂の細い坂を上がった先にあるラ・トゥーエルは、東京のトゥール・ジャルダンを長年率いた清水忠明さんが1993年にオープンさせた店で、日本のフレンチレストランでは老舗の部類に入る。 2012年よりシェフを務める山本聖司さ […]

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