「ミシュランガイド大阪・京都2016」と「ミシュランガイド兵庫2016特別版」「奈良web版2016」10/20発表。と雑感

昨日10月20日、2016年度のミシュランガイド関西版が発表になった。

対象地域は昨年の「京都・大阪・神戸・奈良」から変更になり、「大阪・京都」が独立、「神戸」は兵庫に範囲を広げて特別版となり、奈良はweb上のみの更新となった。
以下ミシュラン社(日本)のプレスリリース。
京都・大阪2016  
奈良 

今年になって、ミシュランはウェブに全店リストを載せなくなった。
フランス版など海外版でもそうだったので、今後は載せない方向になっていくのだろう。
京都大阪と奈良版は確認できたが、兵庫版は見つからなかった。どなたかご存知の方は教えてください。

軒数としては以下の通り。

◆2015(昨年)◆
3つ星
京都7・大阪4・神戸2・奈良1

2つ星
京都22・大阪17・神戸11・奈良3

1つ星
京都67・大阪66・神戸39・奈良12

◆2016(今年)◆
3つ星
京都7・大阪4・兵庫2・奈良1

2つ星
京都24・大阪20・兵庫10・奈良3

1つ星
京都66・大阪65・兵庫65・奈良12

軒数だけを見て最も大きな違いは、神戸(兵庫)の1つ星の増加だ。39軒から65軒に増えた。
1冊の冊子とするためと、県全域に調査方法を広げた結果だろう。

料理カテゴリーも増えた。全部で29種、そのうち21種は和食に属する料理という。
そうめん、蕎麦、お好み焼き、うどん、鴨料理、鹿肉料理など。

しかし相変わらずというか、これだけの軒数が並んでいて、イタリアンの星は今年も1軒もつかなかった。

◆新2つ星(昇格・新規含む)
(京都)浜作、前田、竹屋町三多、祇園 大渡
(大阪)ほうば、La Cime、寿し芳

◆新1つ星
(京都)ふじ義、ごだん宮ざわ、祇園もりわき、なる屋
(大阪)ad hoc、島之内一陽、蕎麦切りmasa、みつや、なかしま、莉玖、やまもと

ビブグルマンは大きく増えた。4県84軒が286軒に。軒数だけでいえば3倍だ。

◆以下、雑感◆

「La Cime」の2つ星昇格

今年のSNS上での皆さんの感想を見ていると、最も大きな話題は「La Cime」の2つ星昇格だ。
「やっと……」という感想が多かった。私も、もっと早くてもよかったと思う。
普段は星にいろいろ文句をつけている赤本だが、入ってほしいお店が評価されると、ファンとしてはやはり単純に嬉しいものである。

ビブグルマンの新規に「Fujiya」が。大阪市の3つ星「Fujiya1935」のシェフ藤原哲也さんのお父さんの洋食屋さんだ。
奈良に川島宙さんの「Abarotz」が搭載。遅いよ……。しかもビブグルマン。本来であれば、前の店「Akordu」に、ビブグルマンではなく星がつくべきだったと個人的には強く思う。今さら…という気持ちもないではないが、ここは素直に喜びたい。
ちなみに、奈良のビブグルマンは今年新設されたもの。

兵庫版の全店リストは確認できていないが、1つ星に三宮の「bb9」が入った。こちらも、料理の精度からいってもっと早くても良かったのではと思う。

日本独自の「特別版」と「webのみ更新版」の、今後

ミシュランから外れると思われていた奈良版については、今後も有料版会員サイト「クラブミシュラン」で更新されることが発表された。紙版のコストを削減できるので、続けていけるということかもしれない。

そうすると気になるのが今回の兵庫版を含めた日本国内でしか出されていない「特別版」の更新の扱いだ。
今のところ、兵庫版が来年も更新されるという情報は見つからなかった。しかし、紙版が出ない奈良版が更新されていくのであれば、特別版も同様に、紙では出なくてもwebでの更新がかかるという可能性はけっこうあると思う。
特別版は、日本国内しか刊行実績がなく、これまで北海道(2012)、広島(2013)、福岡・佐賀(2014)は一回だけの発売で以降更新されていない。

問題は、web版の更新だと、ユーザーのアクセスが非常に限られることだ。
書籍の形で刊行されていれば、購入していなくても、書店で手に取ったり、人に借りたり、掲載店で見たり…という形で新しい読者が期待できる。しかし、web版は有料ということで、この会員になっていなければ、奈良版に触れる機会はほぼ皆無だ。
ミシュラン社は、このあたりどのように考えているのだろう?

個人的に入ってほしかったレストラン

フレンチレストランだけに絞っても、京都の山地陽介さんや、大阪のLa Kanro、アニエルドールなど、入ってよかったと思い出すお店が何軒かある。モダンスペイン料理の「エニェ」も今年は入らなかった。また、来年の楽しみが増えると思って、来年の発表を待ちたいと思う。

いずれにせよ、毎度書いているような気もするが、こうやって個々のレストランに光が当たると、お店の人はもちろん、ファンである私たちにも嬉しい出来事ではある。

次は、12月の東京版2016。発売は12月4日。

ミシュランガイド京都・大阪2016
【発売日】 2015年10月23日(金)
【価格】 本体3,000 円+税、(税込3,240円)
【発行】 日本ミシュランタイヤ株式会社

ミシュランガイド兵庫2016特別版
【発売日】 2015年10月23日(金)
【価格】 本体 2,700円+税、(税込2,916円)
【発行】 日本ミシュランタイヤ株式会社

2015版の感想 


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「ミシュランガイド大阪・京都2016」と「ミシュランガイド兵庫2016特別版」「奈良web版2016」10/20発表。と雑感」への2件のフィードバック

  1. こんにちは。
    本ブログをいつも楽しみに拝読しています。
    国内のみならず世界の最新レストラン事情について、いち早くウォッチして下さり、たいへん参考になります。
    当方ではミシュランガイドの評価データについて、発刊当初からデータを蓄積し経緯が分かるようまとめています。
    ようやく最新刊までまとめました。
    http://www.ogushi.jp/michelin/
    記事を書く際でもデータを掘り返したいときなど、ご参考下さればと思います。
    引き続き、どうぞよろしくお願いします。

  2. Ogushiさま
    コメントありがとうございます。
    サイト拝見しました。店の異動(開店や閉店)、ビブグルマン、詳細な地域、料理カテゴリーの変遷など、とても参考になります!
    料理カテゴリーについては、何となく変わってきている気がしていましたが、ちゃんと検証していませんでした。ミシュランは現代フランス料理のカテゴリーがなくなるなど、相当手を入れているのですね。
    星の増減(とくに減)については、以前は記事のなかで紹介していたときもありましたが、間違えると大変ですので、個々の店名は出さないようにしています。味が落ちたための落選と、閉店の落選は同一の評価で扱えないですし・・・単純に店名変更のときもあります。そのへんをまとめておられるという意味でもすごいと思いました。

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